過多より偏り

思うこと、想うこと、事のこと

善と悪は紙一重

急に寒くないですか?秋を返して!

 

こいついつも最初に季節の話してるな、とお思いでしょうが、いつも何について書くか決めずになんとなく考えながら打っているので、話の切り出し方が共感できそうな季節の話になってしまう。困ったら天気の話するみたいな感じ。

 

10月のこと、8月ぶりに映画を観に行きました。

 

 

「TENET」、ネタバレとか考察とかがバンバン流れてくるので、間違ってうっかり見てしまう前に観に行こう!と思い、事前情報もなしにノリで飛び込んだら最後10分死ぬほど泣いて疲れ果てました。2連続泣いた話をしていて申し訳ないけど、わたしは映画ですぐ泣く人間です。あの貴族降臨ですら泣いてるからね。

 

すごい簡潔に内容を説明すると、

「未来の善人から『近々、逆行する技術を使って過去を侵略しようとする"第三次世界大戦"が始まるから、阻止するの頑張ってくれよな!』というメッセージを含んだ兵器が送られてくる。『この技術どこから……?』と主人公が調査したところ、未来との仲介人である武器商人にたどり着く。すると、武器商人は『もうすぐ俺死ぬから一緒に世界も終わらせるわ!』と地球滅亡の計画を立てていたため、それを阻止する」

みたいな話。たぶん合ってるはず。

 

以前オススメされて同じ監督の作品を観たんです。

 

 

インターステラー」、これは「他の星に移住しないといけないレベルで地球がヤバい!死ぬ!住めそうな星探すぞ!」という話。たぶん。

 

このお話、ラストにめっっっちゃくちゃデカい余白があってわたしはびっくりしたのですが、こういう描き方をするタイプの監督なのかな?と、とりあえず納得していました。世界は救われたけれど、主要人物たちの心残りは救われるのか?どうなのか?その余白があまりにも大きくて、わだかまりが自分の中に残る。

恐らくそれが狙いなのでしょうが、気持ちがひと段落する物語が好みなので、さすがにすごいモヤモヤしました。最後どうなるの!!!!

 

その点、「TENET」はある人物の結末や、ある人物の心の節目が描かれていて、個人的にとても良かった。人が他人に持つ感情が溢れ出てしまう瞬間は、体に効く最高のエンタメですね。頭痛するぐらい泣いた。上記の件があって泣くつもりが全く無かったので不意打ちでした。余白ももちろんありましたが、期間が想定できる余白で、考えれば考えるほど逆に自分の深読みに苦しむシステムになっていたので心がどんどんしんどくなって、薄れてゆく記憶とともに考えるのをやめました。2回目観たいけど見れない、終盤を噛みしめて序盤から臨みたい、やっぱり嫌、つらい。

 

わたしはわりと破滅思考なので、物語の中ではヒールである武器商人にとても共感していました。分かる分かる、本当は全てを手中に収めたいけど収められないし、収められないぐらいなら自らと共に破滅してほしいよね。分かる分かる。細かい点も共感ポイントが多くて、気持ちは痛いほどに分かるんですよ。でも普通の人間は実行までには至らないので、そういうところで凡人との線引きが生まれる。

 

主人公は主人公で、彼は国を超えて世界を守るために行動をしている。そして、物語が終わったところで彼の新しい選択が始まるわけなのですが、その選択がもう、正気か?という内容で。さすが、口を割らずに仲間を守り、自死を選ぶ男。自分が犠牲になって世界が救えるならその選択肢を選ぶし、でも手段はわりと選ばないし、選択を実行する強い決断力を持っている。彼はヒーローの立場であるが、やはり凡人とは一線を画している。

 

故にそういう部分では、ヒーローとヒールの違いは紙一重だと思う。

 

男が仲間を守るために世界を諦める選択肢だってあるわけで、でもその選択肢を選んで実行すると、彼は世界にとってヒーローではなくヒールになってしまう。でも、彼は世界のために働きかけるヒーローなので、世界を救う選択をする。例え犠牲が出たとしても。

その犠牲に関しての余白を読み取っていき、理解すると共に勝手に傷ついていく。ひどいよ。でも、傷つくと心にたまるので、作品としては正解だと思います。

 

個人的にはヒールよりも、ヒーローになれる人物の方が狂人だと思っています。

 

わたしはそういう、誰かを守れるなら当然のように自分が盾になる自己犠牲型ヒーロー(丈夫な体を持っている)が大好きです!!!

特撮作品にも数々の該当人物がいるけれども、わたしが一番好きなのはアンパンマンです。彼は全てを平等に愛し、見返りなしに全てを救おうとする。超狂人。

 

でも、大切な一人のために地球を滅ぼす決意をする人物も好きです。両極端だな。

 

誰だって、ヒールになり得る可能性の方が高いと思います。だからこそ、ヒーローは選ばれし特別な存在なんだな〜と思うと同時に、なんて現実感のない存在なんだ……とも思うのでした。思い描く理想が高く、それを実行してしまうヒーロー。

そういえば、この記事でもヒーローの話をしましたね。、

 

 

どんだけ好きなんだヒーローのこと。

大好きだな。

 

世界を選択するヒーローの話、おしまい。

 

9月まではほぼ毎日いろんなドラマ・映画を観て、コンテンツをコツコツ消化していたのですが、この2ヶ月ある作品にハマりすぎてそれだけで毎日を消費しています。怖。

前回も匂わせたような気がしますが、気が向いたら自分のまとめ用に記事を書こうかな〜と思います。でもなんてまとめたらいいか全く分かんねえよ。書かなさそう〜!

でも上記に共通して、世界平和を選択していたら相棒を失ったヒーローの話なので、好みが一貫していて分かりやすい。ウケる。

思い当たる作品がありましたら、ぜひご連絡ください。よろしくお願いします。

 

結局のところ勝手に傷つくコンテンツが好きな話、おしまい。