過多より偏り

思うこと、想うこと、事のこと

貴族の話が9割5分、全員死刑の話が5分

 4/8から映画館が1ヶ月休館になってしまいました、悲しい……。可能性を危惧して、開いている間にムビチケを消化してきました!ナイス〜!シアターに入ると観客はわたし一人でした。その前(4/1)は二人だったのに……?

 楽観的なので「声出して笑えるじゃん!」と愉快に観てきました。

 

 

 貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-!!!

 大仰なネーミング!貴族降臨て!この映画、「PRINCE OF LEGEND(通称:プリレジェ)」という、「王子が大渋滞!」のフレーズでお馴染み(?)のドラマ(全10話)&映画の“続編”です!

 

 

 胸キュン is DEAD!(?)

 大まかに説明すると、前日譚であるドラマのプリレジェでは、一人の女子生徒さまざまなイケメンたちが好きになってしまい、取り合いに発展するよ、というお話。いわゆる逆ハーレムです。でも女子生徒は誰にも靡きません。そして劇場版プリレジェでは、学園内で全世界が注目する伝説の王子選手権(?!)を行い、優勝したイケメンがその女子生徒と付き合える……?と、そんな感じのストーリーです。トンチキ演出が多くて全く説明できないんですが、顔が良い男たちが謎の競技と真剣に向き合う姿が見れます。胸キュンポイントを獲得するために、壁ドンしたりお姫様抱っこしたり。なんだろうこの世界観、誰もツッコまない「ギャグマンガ日和」みたいな感じです。

 

 

 特に説明もなく、謎の価値観と謎の表現で話が進んでいくところが似ている気がします。気を抜くと置いていかれますし、スタート地点から既について行けてない気もします。ちなみにわたしは映画の終盤で泣きました。自分でもどうかしてると思うんですけど、急に心を持っていかれて……。とりあえずプリレジェの話はこれぐらいにします。

 

 貴族降臨、本編のあらすじを書こうにも、言葉では何も伝えられないので、ひとまず公式サイトから引用します。ご覧ください。

 

 夜の世界の中心・ナイトリングのNo.1ホストクラブ「クラブ・テキサス」の代表となった安藤シンタロウ(白濱亜嵐)は、自らの名を「ドリー」と改め、“貴族”としてこの世に生きる弱者を守り、全ての人が笑って暮らせる高貴な世界を作ることを決意する。
 そんな彼は、あるきっかけで聖ブリリアント学園の存在を知ることとなる。
 今や伝説の王子の“聖地”として、聖ブリリアント学園には転入者が殺到、「三代目伝説の王子」となった朱雀奏(片寄涼太)は世界中を廻り、王子道を邁進していた。

 貴族と王子、果たしてどちらが正義なのか―。
 ともに頂点を極める両者が出会った時、戦いの幕はすでに切って落とされていた‥‥。

 今、美しく尊い男たちが“伝説”の座を巡り、史上空前のバトルを繰り広げる!

 

 わたしは“観た側の人間”なので、もうこの文面は理解できるのですが、初見は何も理解できなくて恐怖しました。1行目からもう頭に入ってこない。あと、観た後でも“文面を理解する”ことはできますが、何を言っているかはよく分かりません。貴族って何?

 

 とりあえず予告を見てさらに恐怖してください。

 

 

 プリンス is DEAD!(???)

 すぐDEADする!情報量が多すぎるのにもかかわらず、何も分かりません。ドローンがタケコプターみたいになってるアレ何?観た側の人間なのに分からない。

 

 そして、この映画にも前日譚であるドラマが存在します。

 

 

 貴族誕生!!!!!

 降臨するには誕生する必要があるということです。自然の摂理。こちらは全5話で、2時間ぐらいあれば完走できます。ですがお察しの通り、見てもよく分かりません。どうして?いつになったら分かるようになるの?

 

 2時間も見てられないよ!という方もおられるでしょう。すぐに貴族を降臨させられるよう、公式がお出ししてくれている「5分で分かる『貴族誕生』」がこちら。

 

 

 すごい!概要だけ綺麗に抜かれていて、逆にまともな内容に見える!いや、社歌(SHAKA)でHAKAやったり、ホストクラブ内で殴り合いをしていたりと、トンチキシーンもちらほら見えますが……いや、最初の“ホストが支配する街”から既におかしい……?

 

 
 
 
 
 
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 まともって何なんだろう。バスケ高校生は別枠なので置いといて、ざっくりとあらすじいきます。

 

 亡くなった父の土木会社と家族(社員)を守りたい“”と、貧乏人でもホストでNO.1になれば富と名声を得られることを弟に身をもって感じさせたい現NO.1ホストの“”。自分たちの居場所と家族を守るために奔走し、最終的に互いが激突して決着がついた時、弟が兄の真意を知る……。

 

 メインはこんな感じ。知人からは「サスケとイタチみたいですね(NARUTO)」と感想をいただき、新たな知見を得ました。確かに。このあと貴族降臨で、サスケ(弟)は鷹(家族)と暁(兄の家族)を率いて木ノ葉隠れの里(聖ブリリアント学園)に攻め入る、的な流れです。まさかこんなに似た文脈があるなんて。NARUTOファンには怒られそうですが。

 

 貴族を誕生させましたので、貴族降臨の話。ネタバレはあんまりしません。というより、したところで謎の文章ができあがるだけなので、機会があればぜひ体感してほしいです。

 

 貴族誕生で「なんか違うの誕生したけど、貴族は誕生……した?」と、腑に落ちずに貴族降臨に臨んだところ、開始数分で「これからはホストではなく、貴族と名乗ろう。今日から貴族だ!」と言うので、きちんと“貴族が誕生する”のを目にできて良かったです。兄以外が困惑しながら拍手をしていたのが面白かった。でも誰もツッコまずに「まるで別人のようだ……」と、煌びやかな見た目と急に変わった口調の弟を見て呆気にとられていました。こっちもびっくりだよ。それよりも「何で貴族なの?」とか聞いてみてよ、と思うのですが、NO.1ホストの言うことは法よりも絶対なので……。改めて何なんだろう、この世界観は?

 

 巷では「イケメンだらけのボボボーボ・ボーボボ」と噂されています。あながち間違いではないのですが、超重要人物の「ビュティ」の代わりとなるキャラクターがいないのです。ビュティがいないボーボボのとんでもなさ、伝わってほしい。何が普通で何がおかしいのか、こう、世界観の裁定者がいないのです。自分の価値観で挑むと何もかもがおかしいので、「え?それはこの世界では普通のことなの?」と、展開に置いていかれそうになりかねません。ギャグまんがで例えるのは、「え?なんで鼻毛伸びるの?」という野暮な疑問に打ち当たらない、最適な例えだと思います。この見解合ってる?でも思ってしまう。貴族って何?

 

 例を挙げると、貴族誕生第2話では、会社が理不尽な借金を抱えてしまい、それを解消しようと弟が他会社に融資を依頼します。そこで土下座して頼む姿をたまたま社員が目にしてしまい、他の社員に話すシーンのセリフがこちら。

 

○「スギウラの社長に金借りようとしてたんだよ」

△「いやいや、お金で解決しようとしてるんですか?!」

○「ホストの兄貴に殴られてビビっちまったんだよ!!!」

 

 借金は金で解決するしかないだろ!!!

 普通だよ!ちなみに第1話で既に1名が殴り込みに行き、返り討ちにあって入院しています。弟も突撃して兄にコテンパンにされました。すぐ暴力で解決しようとする!というか本当になんでホストなのに殴り合いで勝敗を決めるの?劇中にビュティ役がいないのでわたしがビュティになってしまう。あと武器が物騒。こんなの普通に死人が出てしまう。

 

 
 
 
 
 
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 このように、この作品は“普通”の基準値が常人には計ることが出来ないので、全てをそのまま受け入れていきましょう。夜の世界の中心ナイトリングではNO.1ホストが絶対、法よりも絶対、神の存在、そしてホストは貴族

 

 
 
 
 
 
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 貴族だけでこの調子ですが、王子も大渋滞しているのでお忘れなく。

 

 
 
 
 
 
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 こんなに多くいるのに、王子キャストが全員ご出演しているということで、大変おめでたいことです。しかし、貴族に寝返る王子も現れ大混戦!わたしは、寝返った王子を想って別の王子がピアノを弾き語るシーンで泣きました。またかよ。なんでこんな映画で泣いてるんだろう。誰かが、たとえ相手に知られなくとも誰かを想っている姿、とても心に刺さります。

 

 
 
 
 
 
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 推しはヤンキー王子兄です。後ろに“王子”と付けたら何でも王子になります。このようにヤンキーもいるので、急にお出しされる暴力沙汰ケンカシーンなんかもありますが、伝説の貴族と伝説の王子は高貴なので拳では戦いません。予告にある通り、フェンシングで争います。このフェンシングでのバトルの演出が異常に良くて、すごく見応えがありました。正しいフェンシングなのかは定かではないですが、かっこよかったので良し!

 

 

 一応確認してみようと“日本フェンシング協会 公式サイト”を覗いてみたら、まさしくほぼ同じ演出の動画が載せてありました。え、今のフェンシングってこんな感じに表示されるの……?すごく興味がわいてきました。あと、サイト内にいる謎の蛍光色カラーリングで、絶妙な書き味のパンダの図解が気になります。何これ?

 

 
 
 
 
 
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 それと、フェンシングシーンの写真を探していたらこれしか見つからなかったんですが、これ何?事実は小説より奇なり。ちなみに試合のシーンではきちんとウェアもマスクも装着しています。本当に普通にフェンシングしてました。

 

 あとはもう、なんというか、貴族誕生からの流れ的には何も解決しなかったという恐ろしい事態が……起きまして……。絶対に続編を作る気だ!降臨した貴族、次はどうなってしまうのか?そしていつまで続くの?

 

 そもそもコンテンツ自体がちょっとおかしいので、劇場公開“1ヶ月前”に“完成披露試写会”と“ファンミーティング”を“代々木第一体育館”で平日に連日行い、尚且つそのうち1日を全国の劇場にライブビューイングで生中継しました。

 

 
 
 
 
 
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 その後も、公開前に公開記念イベントを2つほど行なっています。気が早すぎる。この流れはLDHによる一族映画あるあるでして、“代々木第一体育館”と“横浜アリーナ”のことをデカい映画館だと思っている節があります。そして上映後にファンミーティングやライブを行うのですが、なぜ上映と一緒にやってしまうのか。試みが愉快だから良いです。

 

 支離滅裂な文章だな!貴族どころかプリレジェもろもろまで書いてしまいましたが、ひとまず貴族の話おしまい。

 

 「全員死刑」がdTVにあったので見ました!三池崇史監督みたいに凄惨なシーンがスクリーンにドーン!血がピューッ!というような感じをイメージしていました。しかし、グロテスクをクローズアップするのではなく、人を殺している加害者の描写が注目点だったように感じました。生々しくてものすごかったです。思えばエンタメ映画ではなく、実在する事件を元にした小説の映画化なので余計にリアルに感じるのかもしれません。誇張表現があまり無く、つたない手つきで強引に絞殺したりと、やっていることはめちゃくちゃなのになぜか現実的でした。

 

 とにかく間宮祥太朗がとんでもなくて……この人どうして頭のネジが飛んでいる役がこんなにも上手いの……?他に印象的だった出演作は「不能犯」。ヤバイやつの所作を、完全にモノにしているように、全く不自然なくナチュラルにやってのけているように見えます。とても良かったので、オススメの間宮祥太朗さん出演作があれば教えていただけると幸いです。「僕たちがやりました」は見ました、女と絡むのが上手すぎる。「帝一の國」は近いうちに見ようと思います。あと、見てないですが「ニーチェ先生」で主演をやっていたような。

 

 劇伴が、バイオレンスさに似つかわしくないクラシックばかりでした。「ホームルーム」と似た感じの音楽性だなぁと思い、監督の趣味かと調べてみたらなんと、脚本・音楽スタッフも同じ方たちでした。音楽の使い方が面白い印象がつきました。「スカム」も同じ製作陣なので、ますます気になります。

 

 全員死刑の話おしまい。

 

 「FAKE MOTION -卓球の王将-」第1話見ました。面白かったので後々ブログに書けたらと思います。

 

 おしまい。